先日、気になる記事を見つけた。それは早生まれの若者は自殺率が高いという内容の記事だ。最初に目にしたとき、「早生まれは何かと損だ」という話を耳にしたことがあったのを思い出し、記事を読んでみることにした。

大阪大学大学院国際公共政策研究科の松林哲也准教授と米国・シラキュース大学の上田路子リサーチアシスタントプロフェッサーが、4月2日とその直後に生まれた学年内で相対的に年齢が高い若者の自殺率と、4月2日直前に生まれたいわゆる早生まれの若者の自殺率を比較したところ、約30%早生まれのほうが自殺率が高いことが明らかになった。これは、早生まれの影響が学齢期を越えて長期にわたって続くものだといえる。この研究から見えてくるものは、やはり早生まれへの対策の必要性だろう。

本件の研究成果のポイントは3つある。
  • 4月2日前後に生まれた若者の自殺率を比較したところ、早生まれのほうが約30%高い
  • 早生まれの影響が学齢期を越えて長期にわたって続く
  • 現行の就学年齢規定の見直しや、早生まれへの対策の必要性
記事によると、やはり早生まれの子どもは同学年のほかの子どもと比較して、身体的・精神的発達が相対的に遅く、学業やスポーツの分野でも不利な立場に置かれることが、たびたび報告されていたようだ。それもそのはずである、なにせ早生まれと4月生まれとでは約10ヶ月以上、場合によっては1年近く年齢に差があるのだから、差が出て当然だ。だがその差が自殺率にまで影響しているというのは、やはり私も少し驚かされた。しかもそれが長期にわたって続く影響とは、予想もしていなかった。


学年を1年単位で分けている以上、早生まれとそうでない人に分かれてしまうのは致し方ないところだと思う。問題はそれによって生じる差をどうやって軽減するかが重要になってきそうだ。学齢期はもちろん、社会に出た後でも対策が必要になるかもしれない。そう考えるとこの問題は、教育政策をかなり深いところから見直す必要性があるといえる。

「早生まれは自殺リスクが30%高くなる」…大阪大が調査
早生まれが青年期の自殺リスクを増加させることを初めて明らかに