だがここで、忘れてはならないことがある。結果は否決となったが、その差はごく僅かだったことだ。英国残留支持が55%だったからことから、否決されたとはいえ分離独立運動が世界に波及しつるあるようだ。
すでにスペインのカタルーニャ州議会では、19日に事実上スペインからの独立を問う住民投票の関連法案を賛成多数で可決したらしい。マス州首相の署名を経て、11月9日の投票が正式に決まるようだ。懸念されていた事態が、起こりつつある。
イギリスのほうにも課題は残された。英国残留が決定した場合、スコットランドの権限を拡大するという約束があるからだ。それに加え、今回の一件でウェールズや北アイルランドも刺激を受け権限拡大を要求してくる可能性もある。
さて、一連の出来事をみた上で私が感じたことは、21世紀に入っても領土問題・自治権問題に溢れているということだ。日本にとっても、決して他人事ではないだろう。もしかすると今回の住民投票は、今後波及していく可能性のある分離独立運動の序章に過ぎないのかもしれない。